5人以下のお店、危険です。
仮に今、儲かっていたとしても。
例えば、あなたのお店がトップスタイリストでオーナーであるあなた、それ以外にスタイリスト2人、アシスタント2人の合計5人のお店だったとします。
売上が年間5,000万円、社長の給料を合わせた利益が1,500万円、まあ、悪くない。
と言うか、この厳しいご時世を考えればかなりいいと言えるかもしれません。
リスクを負ってゼロからスタートして、ついにここまでやって来たと思えば、満足してしまうかもしれませんね。
しかし、これが大きな落とし穴なのです。
身動きが取れない。のです。
もし次の店舗を出そうと考えるなら、人を入れていかなくてはいけません。
ところが、なかなか採用するのは難しい。
それに、頭では分かっていてもここから再びリスクをとって次の店舗を出すことになかなか情熱を燃やせないのです。
まあ、お店も安定してきたから、いいか。
これが危険の始まり。
表面上、安定していても実は内側から崩壊が始まります。
スタッフはどう考えるでしょうか?
おそらくこう考えはじめます。
「自分の人生、これでいいのか?」
「このままこのお店にいてこの先どうなるのか?」
変化のない状況に、どんどん不安になっていきます。
そして、独立、転職。あるいは、結婚、出産。
人が辞めれば、補充しなければなりません。
もし売上を持っていたスタイリストがそのまま持って行ってしまったりしたら、さらに深刻。
スタイリストの早期の補充は難しいでしょうし、しばらく売上を回復させるのは無理かもしれません。
あなたも感じているでしょうが、とにかく5人企業は大変なのです。
でも、僕が思う5人企業の最大のジレンマはここではありません。
5人企業であるためにできないこと。
それは、人を辞めさせることです。
5人企業では、一人が欠けるだけで大変なことになるのは誰でも簡単に想像できます。
だから、もしお店のスタイルに微妙に合わないスタッフがいたとしても、辞めさせることはそうそう簡単にできないのです。
名著「ビジョナリーカンパニー2」に書いてあります。
誰をバスに乗せて、誰に降りてもらうかが重要であると。
つまり、バスに乗せた人間がしっかりした人間であれば自ずといい方向に向かって走っていくし、逆に、乗せるべき人間でない人間を乗せてしまえば、バスはとんでもない方向に向かって走ってしまうということです。
この最も重要とされる一点において5人以下のような規模のお店では実行することがとても難しいのです。
もし本当の安定を求めるなら、一定の規模は必要。
僕はそう思います。
あなたはどう思いますか?