労働時間の例外~変形労働時間制~

From 桜井智
池袋のオフィスより

おはようございます。
「メルマガ労務」の櫻井です。

本日のメインテーマは「変形労働時間制」です。
新任アシスタントさんと店長さんの会話を交えながら解説していきます。

アシスタント:
土曜日は1日9時間働いているのですが、残業代はでないんですか?

店長:
うちは1カ月単位の変形労働時間制というのを導入していて、1ヶ月を平均して週の労働時間が40時間を越えなければ、残業代を払わなくてもいいみたいよ。

アシスタント:
そうなんですか、その変形労働時間制って何ですか?

社労士:
はい、労働基準法の原則の労働時間は、1日8時間、1週間40時間以内と定められております。
しかし、現実はこの規定を守れる会社は非常に少ないです。

特に飲食業や我々士業、そして美容室など、一般のお客様を相手にする商売は月末が忙しかったり、週末が忙しかったりと、ある時期の業務量が膨らむ傾向にあります。

そんな業務量が一定していない会社を対象にした規定が変形労働時間制というものです。

一言で言うなら、労働基準法の『例外』規定となります。

店長:
先生、労働基準法って本当に複雑でわかりづらいですよね。

社労士:
労働基準法は昭和22年に出来た法律です。
その当時は戦後の高度成長期で、工場労働者が多かった時代です。

そんな中で出来た法律ですから、今の時代の働き方に対応するのは難しい。
そこで、この様な『例外』規定がたくさん存在します。

労働基準法が複雑化している所以です。

アシスタント:
そんな昔に出来た法律なんですか。
私のおじいちゃんの時代です。

社労士:
はあ、そうですか、、、
地方から集団就職して、皆一緒の就業規則で管理されているような状態です。

店長:
今は個別の労働契約をそれぞれと結んでますね。

社労士:
そうですね、平成19年に出来た労働契約法により、就業規則より、個別の労働契約が優先されるようになりました。

店長:
そういえば変形労働時間制って他にどんなものがあるのですか?
フレックスタイム制とかも含まれるのですか?

社労士:
はい含まれます。
それではざっくり変形労働時間制について説明していきます。
変形労働時間性は区切る期間によって3つ、他1つの4種類あります。

1)1週間単位の非定型的変形労働時間制
労働者数が29人以下の小売業、旅館、料理店、飲食店について、1週間の労働時間が40時間内であれば1日の労働時間を10時間まで延長できます。

例えば、飲食店などのように土日が混んでいて、平日ヒマな業種はこの変形労働時間制を使用しております。

2)1カ月単位の変形労働時間制
1か月以内の一定の期間について、平均して1週間当たりの労働時間が法定労働時間(40時間)を超えなければ、1日8時間、1週40時間を超えてもOKです。

例えば、月初は比較的ヒマ、月末が忙しいなど

3)1年単位の変形労働時間制
1ヶ月を超え、1年以内の期間について、平均して1週間当たりの労働時間が法定労働時間(40時間)を超えなければ、1日8時間、1週40時間を超えてもOKです。

例えば、商品が季節ものであるため、1年の特定の期間だけ受注が集中する会社などです。

4)フレックスタイム制
始業や終業時刻を自分で自由に決められる制度です。
1ヶ月から3ヶ月の間で清算期間を定め、その間の総労働時間を決め、その範囲内で労働者が働く時間を自由に決めていく制度です。

例えば、育児をやっている労働者や、通勤ラッシュを外して時差出勤する場合など。

以上の4種類になります。
その事業場の環境に合わせて、色々な働き方を設定できるのが、この変形労働時間制の特徴になります。

店長:
労働時間の決め方にもいろいろなパターンがあるのですね。

変形労働時間性をざっくり見てまいりましたが、この制度を導入するにあたり、様々な制限やきまりがあります。

次回からは、それぞれの変形労働時間制について、比較的多くの企業が利用している1ヶ月単位及び1年単位の変形労働時間制を、その後、働き方改革で改正のあったフレックスタイム制を解説していきます。

PS
労務管理について、「自分のお店は大丈夫かな?」と思った方は是非ご相談ください。

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