プラスとマイナス

From 伊澤真由美
池袋のオフィスより

 

「会社でお店を経営するのと個人事業で経営するのとでは何が違うんでしょうか」

美容室のオーナーさんからこんな質問を受けることがあります。

同じ点も異なる点もありますが、今回は税金にかかわる「プラスとマイナス」のお話をしたいと思います。

例えばこんな場合。
複数のお店を経営している場合にもともとあったA店は利益が出ていても、今年オープンしたばかりのB店が軌道に乗る前に決算になってしまった。

つまりA店は黒字(プラス)、B店は赤字(マイナス)の状態で決算になったとします。

ひとつの会社でA店とB店を経営しているのであれば、このプラスとマイナスは相殺されて、差し引きのもうけに税金がかかります。

これは、個人事業で経営していても同じです。

個人事業のオーナーがA店とB店を経営しているならば、それぞれのプラスとマイナスをすべて合計して1年の中で残った利益が税金計算の対象となります。

では、仮にお店の経営以外に上場株式の売買をしていたら、どうなるでしょうか。

会社でお店の経営と上場株式の売買を行っている場合は最終的に、すべての利益と損失を合計し、会社全体でどれくらい利益が出ているかを計算します。

会社全体で黒字であれば、利益に対して税金がかかりますし全体で赤字になれば、利益に対する税金はかかりません。

一方、個人事業のオーナーがお店の経営のほかに上場株式の売買をしている場合に、お店の営業では黒字、株式の売買では損が出てしまったとします。

この場合、お店での黒字と株式売買での赤字を相殺できるかと言うと…
残念ながら、できません。

個人の場合、通常、お店の経営は「事業所得」、上場株式の売買による損益は「譲渡所得」と別のカテゴリーに区分され、もうけも税金もそれぞれで計算することになっているからです。

会社というのは、基本的にもうけるために作る組織なので、そこから生まれるプラスもマイナスも全部ひっくるめて事業活動による結果として考えます。

ところが個人の場合、継続的に稼ぐために行っている活動とたまたま一時的に出たもうけや損失を全部一緒にしてしまうと不都合が出る場合もあります。

一例をあげると、一般的には老後の生活資金に充てられるであろう退職金に、毎月継続してもらえる給与と同じように税金がかかってしまうと、手取り額が大幅に減ってしまい、生活に支障が出てしまうことが考えられます。

こういった事情の違いを考慮して、個人の場合は所得(もうけ)を10種類に区分したうえで、それぞれの事情を加味して税金計算をする仕組みになっています。

会社と個人では、成り立ちの違いから取り扱いも違ってくる点があるということなのです。

 

P.S.
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