【コラム】美容室が目指すべき事業規模とは?

 

美容室オーナーがお店をオープンして、最初に目指すべき事業規模とは何でしょうか?

時間がもったいないので、結論を言ってしまいましょう。

それは、売上1億円です。

もしかすると、実際に経営しているあなたは、その必要性を強く感じているかもしれません。

 

にもかかわらず、そこに到達するのが難しいのもまた事実。

僕の感覚では、100件のうち3、4件くらいでしょうか?

おそらく全体のうち10%ないと思います。

 

それくらい難しいものなのです。

 

1店舗で5000万円あれば、一つの成功であり、地域では繁盛店かもしれません。

ところが、5000万円と1億円には単に倍ではない、違いがあるのです。

1店舗で、売上5000万円。

2店舗で、売上1億円。

 

数字だけ見ると、ちょうど倍ですが、これは、単に倍を意味しません。

それが1億円を目指すべき意味なのです。

 

では、なぜ1億円を目指すべきなのか?

理由は3つあります。1つ1つ見ていきましょう。

 

1. 売上が安定する

あたり前のことですが、まず売上が安定します。

もし、今、1店舗で売上が5000万円あったとする。

1年間で5000万円ということは、1ヶ月あたり約400万円。

 

もし月の売上150万円を持っているスタイリストが1人抜けたらどうなりますか?

40%近い売上が減る可能性があります。

想像しただけでも恐ろしいです。

いずれは回復するかもしれませんが、しばらくの間、苦しい状況が続くでしょう。

 

一方、売上が1億円ある状態であれば、月の売上が仮に150万円減ったとしても、それは20%以内での話。

まあ、痛いは痛いですが、大打撃にはなりません。

こう考えると、スタイリスト4名で5000万円と、スタイリスト8名で1億円は大きな違いですよね。

 

2つ目のポイントは、ヒト。

スタイリストが1人抜けると大変なことは想像できるので、やめないようにしたい。

 

ところが、その気持ちが過剰になると、、、

言いたいことも言えなくなる。

言うべきことも言えなくなる。

となってしまいます。

 

つまり、オーナーであるあなたのポリシーに合わない人でも、我慢して、居させておかなくてはいけなくなるのです。

 

ところが、1億円あるとどうでしょうか?

さっきの例で言うと、スタイリストだけで8人いるので、仮に1人やめてもガタガタくることはない。

結果、あなたは言うべきことを言いやすくなる。

それは、組織に秩序や価値観の一致をもたらすので、より事業が強固になるのです。

 

そして、3つ目のポイントが、お金。

年商1億円になると、お金が安定します。

なぜなら、美容業は、損益分岐点を超えると、一気に利益が残るようになるからです。

 

やり方にもよるでしょうが、売上高5000万円規模だと、本人に残るお金(お給料+お店の利益)は、1000万円前後。

ところが、1億円に到達すると、同じやり方で約3000万円残ります。

売上が2倍だと利益も2倍かというとそうではない、3倍になるのです。

これはすなわち、物理的、精神的余裕をもたらします。

 

例えば、2−3人の(あるいはもっと)余剰人員をかかえておくこともできますし、頑張っているスタッフのお給料を上げてあげることもできます。

女性スタッフの結婚・出産にも対応しやすくなるでしょう。

 

何よりも、言いたいことが言える。

 

これって重要じゃないですか?

明らかにそいつがおかしいとしても、一人やめたらガタガタになるって分かっているのに、

「イヤならやめろ!」

とはなかなか言えないですからね。

 

理想を現実にする。

そのためにも、僕たちは、まず売上高1億円を目指す。

そういう必要があるのではないでしょうか?

AUTHOR執筆者

ベネフィットグループ代表 税理士

美容室のよりよい経営のお役に立てるよう、日々精進しています!

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