【コラム】やるな、エネオス

これは、4年ほど前に、私が書いたメルマガですが、今、読んでも十分おもしろいと思うので、シェアしたいと思います。

まだ読んでいない方は、ぜひ読んでみてください。

 

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「最近、油膜が気になりませんか?ワイパーで拭いてもフロントガラスがいまいちきれいにならないとか・・・。」

来た!これは、アップセルだ!と僕は身構える。

 

僕「うーん、そうですかねえ?あんまり気にならないけど。」

サービスマン「ワイパーの跡だけついて、その周りの汚れが気になったりだとか、ありませんか?私もやっていますけど、ガラスコーティングをやると、まったく汚れが気にならなくなりますよ。明後日も雨の予報とか出ていますし、オススメです。」

僕「どれくらい持ちますか?」

サービスマン「半年から1年くらいですね。」

僕「え?1年も!?」

サービスマン「はい。ウォッシャー液は使わないでくださいね。コーティングの効果が落ちてしまいますから。ウオッシャー液を使わなければ1年持ちます。」

僕「それ、いくらですか?」

サービスマン「確認してきます。少々お待ちください。」

 

こうして、僕は落ちた。

見事にサービスマンにアップセルをかけられた瞬間だ。

結局、洗車980円に対し、ガラスコーティング2,000円を支払わされた。

 

こういうのを、マーケティング用語で、アップセルとかクロスセルと言うのですが、一人のお客様に、上位の商品や他の商品を追加で提案して、売上増を狙う手法です。

ハンバーガーショップで「ご一緒にポテトも如何ですか?」という、あれですね。

 

ガソリンスタンドって、他の業種の人間からすると、経営は難しそうですよね

何せ、ガソリンの値段は、一目瞭然だし、なかなかサービスで差をつけるのも難しそうだし・・・。

 

ところが、僕の行くこのガソリンスタンドは、ちょっと違うのです。

「あ、ガソリン、残り少ないな。」

そんなとき、僕は、家から最も近いガソリンスタンド、エネオスに行きます。

 

ここはセルフのガソリンスタンドです。

もともとはたいした理由はなかった、と思います。

家から近いからという理由で行き始めて、そして、Tポイントが付くし、なんとなく継続的に行っているような、そんな感じです。

 

ところが、このガソリンスタンド、僕がガソリンを入れていると、スタッフがさっと近づいてきて、

「タイヤの空気があまいような気がします。放置すると危険です。念のため、空気圧を見ておきましょうか?」

とか、いちいち聞いてきたりするのです。

 

よく見ると、スタッフが多い

他のガソリンスタンドよりスタッフが多めにいて、お客が来ると、何らかの提案をしてきます。

それが、なかなか断れない提案なのです。

 

「このままだと危険ですよ。」

「無料ですから。念のため、見ておきますね。」

「このバッテリー、もうすぐ寿命ですね。念のために確認しておきますね。」

 

「お客のため」、「あなたのため」という目線の提案のため、断りにくいのです。

しかも、正直、こっちは車の専門的なこと、さっぱり分からないので、「プロのアドバイス」を受けると、「そうかな?」と思ってしまうのです。

 

マーケティング大好きっ子の僕は、いつも「アップセル」を警戒して行くのですが、それでもついつい許してしまうのです(笑)。

だから、マーケティングを知らない一般の人なら、なおさらではないでしょうか?

 

どうでしょう?

きっと、このガソリンスタンド、儲かっているのではないでしょうか?

 

僕がはじめて洗車を頼んだ際、洗車用のメンバーカードを渡されました。

中を見ると、2回目は半額、3、4回目は定価、そして、5回目は無料となっています。

2回目半額、5回目無料。

 

うーん、おもしろい!

これ、絶妙ですよね?

僕は、これを見て、確信しました。

ここの社長、間違いなくマーケティングを知っているなと(笑)。

 

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AUTHOR執筆者

ベネフィットグループ代表 税理士

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