トライアル雇用のメリット・デメリット

美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。
 

就業経験不足等の原因から就業困難となった求職者の雇用を促進する目的で制定された「トライアル雇用制度」。

 
同制度を活用することにより、書類選考・筆記試験・面接だけでは判断が難しかった労働者の適性を見極めた上で本採用を行うことが可能になります。

また、要件を満たせば助成金を受給することも可能なので、人材採用後のミスマッチ防止および採用コストの削減が常に課題となる企業採用においては大きな助けとなります。

 
しかし、トライアル雇用制度にはメリットだけでなくデメリットもありますので、双方を把握した上で活用を検討する必要があります。

本記事では、同制度のメリット・デメリットについて詳しく解説いたします。

 

 

1.トライアル雇用とは


 

(1)概要

 
トライアル雇用とは就業経験や知識、技術不足により就業が困難となっている労働者を、3か月の期間内で試験的に雇用する制度のことを言います。

 
高校や大学を卒業後円滑に就職できなかった人や、早期離職や出産・介護等を理由に就業期間にブランクがある人等、働く意思があっても就業経験や知識・技術不足が原因で就業できない労働者に対して雇用促進を行うことが、同制度の目的です。

 
採用側は試験雇用(トライアル)期間に労働者の能力・適性を見極めたうえで、常用雇用するかどうか判断します。

 

(2)対象者

 
トライアル雇用に関する求人はハローワーク、または職業紹介事業者(雇用関係助成金の取扱いに係る同意書の提出が必須です)で申し込むことができます。

 
対象者は、以下に示す条件のうちいずれかを満たす必要があります。(この要件はトライアル雇用助成金一般トライアルコースに限ります。)

  • トライアル雇用の紹介日においてニートやフリーター等で45歳未満
  • 過去2年以内に離職や転職の経験が2回以上ある
  • 紹介日の前日時点で離職している期間が1年以上ある
  • 妊娠・出産・育児で離職し1年以上安定した職に就いていない
  • 生活保護受給者、季節労働者、生活困窮者など、特別な配慮を要する

 

 

2.トライアル雇用のメリット


 

(1)コスト削減

 
トライアル雇用は、お試しの期間を経た後に本採用を決定するシステムです。また、助成金を受給することができるため、採用コストの削減につながります。

 

(2)採用のミスマッチを防ぐ

 
書類選考や面接で労働者の適性や能力の本質を見極めるのは中々に難しいですが、トライアル雇用であれば、トライアル期間中に実際に業務につかせた上で仕事のやり方・段取りの仕方を見ることができます。

よって、常用雇用時に至っても採用のミスマッチが発生することは少ないと言えます。

 

(3)試用期間よりも処理が容易

 
「試用期間」を設けた雇用方法もあります。試用期間の長さについて労働基準法などで明確な取り決めはありませんが、1〜6カ月が一般的と解釈されています。

ただし試用期間中は企業側と採用された側で既に労働契約が締結している状態なので、企業側は正当な事由がない限り、解雇を行うことができません。ここで言う正当な理由とは勤務態度の悪さや出勤不良などで、業務能力の本質とは異なる部分です。

 
トライアル雇用には、原則3ヶ月というトライアル雇用期間が設定されますが、期間満了後に本採用の義務がないため、試用期間と比較しても解雇までのプロセスが大変容易です。

 

 

3.デメリット


 

(1)現場への負担が大きい

 
トライアル雇用対象者は就業経験が少なかったりブランクがある労働者のため、即戦力とは行かず現場での教育が前提となることが大半です。

人員の少ない現場の場合には、大きな負担となる可能性があります

 

(2)書類処理やスケジュール調整の負担

 
トライアル雇用には、申請からトライアル雇用の開始・終了まで、書類処理を行わなければなりません。

各段階で、対応しなければならない事項があるので、スケジュール調整や確認・管理の面でも負担になると言えます。

 

(3)求職者にとっては経歴が残る

 
トライアル雇用制度では後の常用雇用は企業側の判断となるので、絶対に正社員になれるわけではありません。常用雇用されなかった場合は、必然的に短期間での解雇となり、経歴として残ってしまいます。

短期間での離職は後の就職活動にも影響を及ぼすことを留意しておく必要があります。

 

 

4.まとめ


 
トライアル雇用は、求職者にとっては経験不足であっても希望の職業にチャレンジでき、雇用者にとっては採用コストの削減や新たな人材の発掘等、双方がWin-Winにもなれる制度です。

人手不足が問題となっている現状では、人員拡大の一選択肢として期待できる部分もありますが、同制度にもメリットとデメリットがあります。

 
現場への負担等のデメリットをよく考慮した上で、活用を検討ください。

 

 
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