From 桜井智
池袋のオフィスより
おはようございます。
「メルマガ労務」の櫻井です。
本日のメインテーマは「1カ月単位の変形労働時間制」です。
新任アシスタントさんと店長さんの会話を交えながら解説していきます。
アシスタント:
先日結んだ雇用契約で質問です。
店長:
はい、なんでしょう。
アシスタント:
労働時間ですが、1カ月を平均して週40時間以内と書いてあったんですが、なんで1カ月なんですか?
店長:
うちの店は月初と月末が忙しいよね。
だから、忙しい週は1日の労働時間を9時間にして、ヒマな週は1日の労働時間を6時間にして、1ヶ月で平均すると1週間で40時間以内の労働時間になるように調整してるんだよ。
アシスタント:
そうなんですね、だから毎月シフト出してるんですね。
けど、1日8時間超えたら残業代もらえるんじゃないですか?
店長:
あ、9時間の時ね。。。。
社労士:
今回のケースのようにあらかじめ9時間と定めている場合は、残業代を払わなくてOKです。
ただし、9時間を超えて残業した場合は残業代を払う必要があります。
アシスタント:
では、ヒマな時の6時間労働の時に7時間働いたら残業代もらえるのですか?
社労士:
このようなケースの場合も残業代は発生しません。
所定労働時間の6時間を超えたとしても、法定労働時間の8時間を超えていないからです。
店長:
では、所定が6時間のときは、すべての日を8時間働かせても残業代払う必要ないんですか?
社労士:
いえいえ、残念ながら次の条件を超えた場合は残業代の支払いが必要になります。
1週間の労働時間が40時間を超える場合は、超えた時点で残業代が発生します。
ただし、あらかじめ1週間の労働時間を40時間以上に定めていた場合、例えば9時間×5日=45時間などのケースはこの45時間を超えた場合に残業代が発生します。
店長:
てっきり、1ヶ月の所定労働時間を超えなければ、残業代を払わなくてもOKなのかと思ってました。
社労士:
以外と勘違いされている方が多いので、この1カ月単位の変形労働時間制を導入された場合は注意が必要です。
ここで、1カ月単位の変形労働時間制を導入した場合の月の上限時間の出し方を見ていきます。
月ごとの歴日数(31日、30日、29日、28日)の長さによって総労働時間数が変動します。
例えば、歴日数が31日の場合
31日(歴日数)÷7日(1週間の日数)=4.42857週(1ヶ月の週数を求めます)
4.42857週×40時間(1週間の法定労働時間)=177.1時間
となります。
この時間数以内に1ヶ月の所定労働時間を定める必要があります。
店長:
先生、就業規則を届け出ていないんですが大丈夫ですか。
社労士:
御社の場合は従業員が4名なので、就業規則を届け出る必要はありません。
ちなみに、
就業規則に定めなければならない内容は
1.変形労働時間制を採用する旨の定め
2.変形期間中の各日の始業・終業の時刻
3.起算日
になります。
雇用契約書などに記載したとしても、就業規則に定めなければ変形労働時間制を導入することはできませんのでご注意ください。(就業規則に変えて労使協定でも大丈夫です。)
店長:
はいわかりました。
就業規則確認します。
1カ月単位の変形労働時間制は現状の働き方を分析して、最適な労働時間の配分を設定することが肝となります。
ちょっと難しいなと感じたら、お気軽にご相談ください。
PS
効率的な仕事を行うためにも、より良い職場環境のためにも、労務管理は大切になってきます。
「自分のお店は大丈夫かな?」と思った方は、お気軽にご相談ください。
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