From 田崎裕史
自宅の小部屋より
3週前くらいに書いた記事、「《美容室》縮小均衡時代の経営戦略とは?」が、なかなかの反響を頂いたので、続きを書きたいと思います。
先が見えず閉塞感が漂い、市場も人口も縮小に向かうこういう時代には、売上に人を合わせるのではなく、人に売上を合わせる経営をすべきと、私は考えています。
特に、新型コロナウイルスで先行き不透明感は増しており、未来のよくわからないものを信じるより、今いるスタッフ、今いらっしゃるお客様をより大切にしたほうがいい。
そして、それらをベースにした経営をすべきではないか?
そう考えています。
では、スタッフを大切にするとはどういうことか?
スタッフの意向をよく聞き、その意向に沿ったプログラムを組んであげることだと思います。
なぜなら、スタッフの幸せを追求するためには、スタッフの志向が分からなければ実現しようがないからです。
例えば、実力をつけたいのか?
お金が欲しいのか?
それとも、ワークライフバランス重視なのか?
これくらいは、何度か話せば聞き出せるかもしれません。
でも、できれば、将来、独立したいと考えているとか、結婚したら家庭に入りたいと思っているとか、子供ができても働き続けたいと思っているとか、そういうレベルまで、できるだけ具体的に知っておくほうがいい。
ここで力を付けて、他で稼ごうと考えているとかは、正直、経営者にとって知りたくない情報かもしれません。
もしスタッフ5名の美容室で、期待している若手がそう考えていたら、確かにショックは大きいですからね。
それでも、絶対、知っておいたほうがよいです。
知らないのが最大のリスクだから、事実は知っていたほうがよい。
実際、独立を考えるくらいの、ガツガツした子のほうが、いる間も組織に貢献してくれるでしょうし、もし残ってくれれば、組織の未来にとって相当大きな力となってくれるでしょう。
もし仮に、どうしても自分の道を追求することになったとしても、その意向を予め知っていれば、協調することができます。
突然言われて、慌てふためく必要がなくなるのです。
例えば、10年は頑張ってくれ、そうすれば、独立の時、支援するし、自分自身も実力もお金も貯まるだろう。
その間で、マネジメントも教えてあげられるから。
ということで、お互い合意できれば、10年間は相当なモチベーションで頑張ってくれるでしょうし、あなたにとっても、人材採用教育の長期的なプランが立てやすくなるでしょう。
それに、苦労を一緒に重ねた分、独立したあとも、もしかすると、互いに情報交換するなど、掛け替えのない経営者仲間になれるかもしれません。
しかし、そんなたいそうなこと、スタッフはそうそう簡単には言うことはないでしょう。
一見、あなたの利益に相反するものであればあるほど、あなたの期待を感じれば感じるほど、気を遣って、本当のことを言わなくなると思います。
それだけに、本音を引き出すためには、何度も何度もコミュニケーションを取り、その中で、本当に「あなたのことを思っている」ということを、真摯に伝え続けることが大切だと思います。
ですが、もしかすると、多くの若いスタッフは、あなたの期待に反して、「〇〇になりたい」とか「〇〇したい」とか何にもないかもしれません(笑)。
でも、よくよく考えてみてください。
そんなものではありませんか?
私も、新卒で商社に入社した23歳の頃は、ただ漠然と大きなイメージを抱いていただけで、目の前の地道な作業に翻弄されていました。
きっと、当時の私は、あなたにビジョンを聞かれたとしても、気の利いた、おもしろい答えは返せなかったでしょう。
そんなものです(笑)。
事実、仕事というのは、どんな仕事であっても、基本があって、応用がある。
実際、最初の3年や5年は、地道な作業の積み重ねです。
それこそ、美容室のアシスタント時代はまさにそうですよね?
だから、もし、そういう、やりたいことがまだ見えないスタッフがいたら、5年後の姿を見せてあげればよいと思います。
「まずここで5年働いてみて。ここで5年働いたら、これくらい稼げるようになるよ!お客様にいろいろな提案ができるようになって、充実感が得られるよ!どこに行っても食いっぱぐれない実力を付けられるよ!」
というのを、伝えてあげられればよいと思います。
私たちは、他人の意思を変えることはできません。
自分の意思で変えることができるのは、自分だけです。
だから、他人を変えようとするのなんておこがましい。
では、どうしたら、一緒に楽しく長く働いてもらうことができるのか?
それは、あなたに寄り添ってもらうのではなく、あなたがスタッフに寄り添う。
経営者が中心の、売上至上主義の組織ではなく、スタッフが中心の、人が中心の組織をつくる。
先行き不透明の、混迷を極める、こんな時代だからこそ、私たちマイクロ企業の経営者は、そのように考えて、経営をする必要があるのではないでしょうか?
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