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Topics トピックス

2020/12/08

社員ブログ

転売ビジネス

近年「古物営業法」や「チケット不正転売禁止法」などの法律の下に、
「転売」が違法行為として取り締まりを受けているというニュースを
しばしば目にすることがあります。

直観的には悪いことのように思えるこの「転売」ですが、
具体的にどういう点がいけないのかを挙げようとすると
なかなかはっきりした答えが浮かび上がりません。

法律上違法なので悪いこと、と言われればそれまでですが、
見方を変えると転売にもそれなりに「良い点」もあると思う時があります。

たしかに、転売をメーカー側から見れば、自社製品を出来るだけ
低価格で多くの人に普及させたいという意図が阻害されることとなり、
非常に迷惑な行為だと考えるでしょう。

ジャニーズがライブチケットの転売を禁止しているのも、
比較的所得の低い若年層中心にファンを作りたいという
狙いがあるからだと聞きます。

また、食料品などの生活必需品の転売は、わが国の憲法で保障されている
生存権を脅かすことになりかねず、明確にアウトと言って差し支えないかと思います。

しかし、娯楽的な側面の強い商品に関しては、買い手から転売市場を見た場合、
いくつかのメリットがあるように思えます。

最近話題になったプレイステーション5の発売日を思い浮かべてください。
発売初日の朝のゲオの前で開店を待つファンの長蛇の列。
彼らは自分自身の「時間」という資源を使うことによって、
正規価格のプレステ5を手に入れようとします。

これを転売市場における買い手は、正規価格にいくらかを上乗せすることで
わざわざ店頭に並ぶことなく、より確実にプレステを手に入れることが可能となります。

また、抽選販売となるケースにおいても、転売市場において価格が高額に付け直されることで
多数いる買い手の中でも、より高い価値を感じる買い手の元に商品が届きやすくなるでしょう。
需要供給曲線をイメージすると、非常に合理的なことのように思えます。

つまり転売市場は「正規価格に商品入手のための手間暇を織り込み、価格を付け直している市場」
と言い換えることもできるのではないでしょうか。

もちろん、違法行為を容認するわけではありませんが、「時間の売り買い」や「商品入手の確実性」
などといった、今後のビジネス展開へのヒントとなるような概念を、ここ数年の「転売」をめぐる
動きから学んだような気がします。