サロンワークで使用する薬剤などの材料の購入、つまり仕入は日常的に発生しているかと思います。
また、店舗でシャンプーやトリートメントなどをお客様に販売するのであれば、店販商品の仕入も発生します。
材料や商品の仕入があるのであれば、決算の際には在庫の棚卸を行います。
本記事では、棚卸(期末の在庫)と決算の関係について解説します。
目次
1. 決算とは
2. 棚卸とは
3. 決算と棚卸
まとめ
1. 決算とは
決算とは、1年間の経営活動の成果をまとめ、どれだけもうかったのか(もしくは損が出たのか)を明らかにする作業のことです。
個人事業主であれば12月、法人(会社)であればその事業年度ごとに行います。
2. 棚卸とは
棚卸とは、在庫の数量や価値を把握するための作業です。美容室で言えば、
シャンプーやトリートメント、カラー剤、パーマ剤などの在庫をチェックし、正確な数と金額を確認することを指します。
棚卸を行う目的としては、在庫ロスの把握や無駄な仕入の防止といった実務的な面と、決算での正確な原価計算を行うことがあげられます。
3. 決算と棚卸
決算の際には、材料や店販商品の棚卸を行い、期末の時点で残っている在庫がいくらあるのかを把握し、在庫の金額を反映して、1年間の損益を計算します。
例えば、12月末が決算の美容室で、年明けに行うキャンペーン用の商品を100万円まとめ買いしたとします。
仕入100万円は費用として認識しますが、商品はまだ売れず残っていますから、在庫として計上します。
この商品に限れば、決算では売上もなく、原価もなし、ということになります。
売上高 0
仕入高 100
期末在庫 △100
差引 0
仮に棚卸(在庫)100を認識しないとなると、売上がゼロにもかかわらず、仕入(原価)が
100で差引100の赤字となり、おかしなことになります。
このように、売上と原価を対応させるために、決算では棚卸と在庫の計上を行うのです。
まとめ
決算では、売上と原価が対応するように棚卸を実施して在庫の金額を計上し、1年間の
損益を確定させます。
仮に決算間際に大量に材料や商品を仕入れたとしても、在庫になっているのであれば、仕入れた時点では原価にはなりません。
使用したときまたは売れたときにはじめて原価として認識されます。
きちんと棚卸を行わないと、正しい損益が計算できませんので、決算の際はしっかり棚卸を行いましょう。