美容室を経営する上で、スタッフの健康管理はお客様満足度や店舗の安定運営に直結する大切な要素です。その中でも「健康診断」の実施とその費用負担について、正しく理解して対応できているでしょうか?
本記事では、健康診断の法的義務と費用の負担、税務上の取り扱いについて解説します。
●目次
1. 健康診断は事業主の義務
2. 費用は事業主が全額負担
3. 健康診断の費用を負担した場合
4. 健康診断費用と給与課税
まとめ
1. 健康診断は事業主の義務
労働安全衛生法第66条では、常時雇用する従業員(正社員・契約社員など)に対して、年に1回の「定期健康診断」の実施が事業主に義務づけられています。
2. 費用は事業主が全額負担
労働安全衛生法等で事業者に義務付けられている健康診断の費用は、事業者が負担すべきものとされています。
3. 健康診断の費用を負担した場合
事業主が負担した従業員の定期健康診断の費用は、事業主が法人であっても、個人であっても経費として取り扱うことが可能です。
なお、個人事業の場合の事業主本人や事業専従者の健康診断費用は必要経費にはなりません。あくまで一般の従業員が対象となります。
4. 健康診断費用と給与課税
従業員の健康診断費用を事業主が負担した場合、それが給与として課税されるかどうかも気になる点です。
結論から言うと、法定の健康診断にかかる費用を会社が負担しても、従業員の給与としては課税されません。
ただし、無制限にすべてが認められるわけではなく、以下の要件を満たすことが必要です。
・対象者全員が受診し、受診者に差が出ないこと
・金額が一般常識の範囲内であること
まとめ:スタッフの健康は経営の基盤
美容室の安定した経営には、スタッフの健康と働きやすい職場環境づくりが欠かせません。法令を遵守し、健康診断を適切に実施・費用負担することで、スタッフの信頼を高め、長く安心して働けるサロンづくりを目指しましょう。
関連リンク
スタッフ任せはNG!~美容室と健康診断~
https://beauty-benefit.jp/blog/archives/6983
国税庁 人間ドックの費用負担
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/03.htm