美容室特有の雇用形態 働き方の多様性と採用のポイント

昨今、働き方の多様性が強調されております。
美容室を経営されている皆様方においても労働者やお店のニーズに合わせて様々な働き方を導入されているかと思います。
今回は、その働き方の種類と特徴をまとめてみました。

目次

  1. 正社員
  2. パート・アルバイト
  3. 面貸し美容師
  4. 業務委託
  5. 派遣美容師

1.正社員

月給制・社会保険完備・有給休暇など福利厚生があり、安定して労働力を提供してもらえ、国からも助成金などの補助が受けられる。
デメリットは労働基準法をはじめとした労働者保護の法律を守らないと厳しい罰則がある。
雇用するための法定福利費がかかるため分配できる歩合率にも制限を設ける必要がある。

働く側がメリットして感じる点は、月給制で安心、社会保険完備などの保証を受けられる、無期雇用契約であるなど。
一方デメリットは、決められた賃金しかもらえない、転勤がある、休みが取れない、拘束時間が長いなどの印象があるようです。

2.パート・アルバイト

時給制、条件により社会保険加入をしなくてもよいケースがあり、安定はしていないが必要な時間に人員を補強できるメリットがある。
働く側がメリットとして感じる点は、時間に融通が利く、休みがとりやすい、働いた分だけ稼げる。
一方デメリットは、時給が安い、社会保険がない、雇用期間が不安定、技術が身につかないなどがあるようです。

3.面貸し美容師

サロンの一部を貸し出す方法です。
契約条件によってはサロンの稼働率を下げることになるため募集方法や契約内容を詳細に詰めて運営する必要があります。

働く側がメリットとして感じる点は、初期投資が少ない、やればやるだけ稼げる、時間の都合がつくなどです。
一方デメリットは、保証がない、お客様を自分で獲得しないといけない、完全成果主義で不安定などです。

4.業務委託

フリーランスとして個別の業務委託契約を結んでいきます。
正社員として働いていたスタイリストの方に対して、より高い歩合率を設定するために取り入れるケースが多いです。

正社員に比べると、労基法などの厳しい法令の適用を受けることはありませんが、会社への帰属意識は薄くなります。
社会保険などの加入もありませんので、その分歩合での配分率を高くできるメリットがあります。
但し、労働者性が認められた場合は遡って法令の適用をうけるため注意が必要となります。

働く側がメリットとして感じる点は、出勤日数・時間を自由に決められる、完全出来高払いで高収入が得られるなど。
一方デメリットは、集客はサロンに依存、社保がない、独立までに時間がかかる、などが挙げられます。

5.派遣美容師

派遣会社から人員を派遣してもらう形態です。
採用などの手間はかかりませんがパート社員などに比べると費用は割高になります。
必要な時期や時間帯に人員を確保することが可能です。

働く側がメリットとして感じる点は、収入が安定している、働く時間や場所を自由に選べる、社会保険がある、休みが取りやすいなどがあるようです。

まとめ

採用する側のニーズもさることながら、働く側のニーズも考えて採用活動をする必要があります。
昨今の最低賃金上昇を考えると、より生産性を意識したサロン経営が求められます。

採用がうまくいかない、離職が多いなどのお悩みを抱えているサロン経営者の方も多いかと思います。
今までのやり方に固執することなく、御社の採用方針や店舗の運営方法などを見直し・改善することも検討されてはいかがでしょうか。