美容室における社会保険料控除のタイミング 育児休業編

最近は育児休業制度が充実しており、取得される方も増えてきました。
産前産後休業・育児休業については様々な手続きが関わってきますが、そのうち給与支払の際の対応についてはご存じでしょうか。
休業直前になって慌ててしまわないように、スタッフから申出があったタイミングで一度確認しましょう。

目次

  1. 社会保険料とは
  2. 育児休業中の社会保険料
  3. 実際の免除期間について
  4. 保険料免除に必要な手続き
  5. 【番外編】
  6. まとめ
  7. 出典・参考サイト
  8. 関連記事

1. 社会保険料とは

一般に社会保険料とは、加入している社会保険にかかわる料金のことです。
会社がスタッフを雇い、そのスタッフが社会保険に加入する場合、会社とスタッフ両方で社会保険料を負担します。
一般的にスタッフの支払う分の社会保険料は、毎月の給与から天引き(控除)されます。

  • 雇用保険料
  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料

会社がその保険料をまとめて納めるという流れになります。

2. 育児休業中の社会保険料

「育児休業中は働いていない=給与の支払がないのに、社会保険料は毎月払わなきゃいけないの?」
そんな声をたまに耳にします。

結論から言うと、支払いの必要はありません。
というのも、そもそも雇用保険料は給与支払い時にかかるものですので、休業していて給与支給が無ければ控除するものはありません。
また社会保険料(健康保険・厚生年金)は、産前産後の休業中・育児休業中は会社側・スタッフ側ともに社会保険料負担が免除となります。

3. 実際の免除期間について

実際の給与計算はいつからいつまでを社会保険料免除期間として計算すればよいのでしょうか。
その答えは休業等の開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月までとなります。

(例)1月10日に休業に入り、8月1日に職場復帰した場合

  • 休業等の開始日の属する月=1月
  • 終了日(7月31日)の翌日(8月1日)が属する月の前月=7月

上記のような考え方になります。

給与支払いが毎月末締、翌20日支給(※社会保険料は翌月徴収)の場合
2月20日(1月1日~1月31日分)の給与支給時より社会保険料免除となり、
8月20日(7月1日~7月31日分)の給与支給時が最後の社会保険料免除となります。

※育児休業については開始日の属する月と終了日の翌日が属する月が同一の場合でも、育児休業等開始日が含まれる月に14日以上育児休業等を取得した場合は免除となります(令和4年10月1日以降に開始した育児休業等に限る)

4. 保険料免除に必要な手続き

産前産後休業期間および育児休業期間に関わる社会保険料免除については事業主が申出書を日本年金機構(事務センターまたは年金事務所)へ提出することにより行います。
手続きはそれぞれ別のものとなり、申出書の様式も異なります。
「産前産後休業期間は手続したけど、育児休業期間は手続きを忘れてしまっていた!」ということもちらほら聞かれますのでご注意ください。
手続に関しての詳細は日本年金機構HPをご覧ください。

産休・育休等関係届書|日本年金機構

5. 【番外編】

スタッフの給与から控除するものの中には住民税もあるかと思いますが、こちらは社会保険料と異なり、支払う必要がありますのでご注意ください。

まとめ

スタッフから出産に関する申出があった場合には、事前にスケジュールを立て、シミュレーションしてみることが重要となります。
休業期間に安心して育児に集中できるように、会社としてもサポートしてあげることが必要となってきます。

出典・参考サイト

厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)|日本年金機構

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