個人事業主の納税の年間スケジュール

個人事業主が支払うべき税金とその納税スケジュールを解説

個人事業主の場合、年間を通して様々な税金を納める必要があります。

また美容室を経営されている場合、従業員数や設備導入費用の規模によって必要な納税スケジュールが変わってきます。
ご自身のケースと照らし合わせて、しっかりと自分の納税スケジュールを把握しておくことで、急な資金難なども避けることができます。

目次

  1. 個人事業主が納税すべき税金一覧
    1. 事業の所得(利益)がある場合
    2. 事業用の固定資産を所有している場合
    3. 消費税の課税事業者の場合
    4. 従業員を雇っている場合
  2. 納税の年間スケジュール

1.個人事業主が納税すべき税金一覧

個人事業主の場合、下記の税金を納める必要があります。

ケースによっては納める必要のない税金もあるため、しっかりと自分の状況を確認したうえで必要な納税を行ってください。

1-1.事業の所得(利益)がある場合

  • 所得税
  • 住民税
  • 事業税

1-2.事業用の固定資産を所有している場合

  • 償却資産税(固定資産税)

1-3.消費税の課税事業者の場合

  • 消費税

1-4.従業員を雇っている場合

  • 源泉所得税
  • 住民税(特別徴収分)

納税の年間スケジュール

所得税 3月

(振替納税を利用している場合は4月後半)
前年度の課税所得が発生していない場合は納税の必要なし
年間の所得税が15万を越える場合、7月と11月に予定納税(中間納付)として前納を行う必要あり

住民税 6月・8月・10月・翌1月(年4回)

通常は年4回に分けて納税を行う。1年分を最初に全額納税することも可能
前年度の課税所得が発生していない場合は均等割以外の納税の必要なし
(均等割については自治体によって要件が異なる)

事業税 8月・11月(年2回)

通常は年2回に分けて納税を行う。1年分を最初に全額納税することも可能
前年度の事業所得(青色申告特別控除前)が290万以下の場合は納税の必要なし

償却資産税(固定資産税) 5月・7月・12月・翌2月(年4回)

通常は年4回に分けて納税を行う。1年分を最初に全額納税することも可能
1/1時点で所有する事業用資産の評価額の合計が150万以下の場合は納税の必要なし

※美容室経営の場合、テナントのオーナーでは無くても、その店内へ要した工事費用などは高額であれば資産扱いのため、償却資産税の対象となってくる
また、シャンプー台やその他の高額美容機器なども金額によっては償却資産税の対象となってくる
(原則、一点で10万円を超えるような事業用の備品が対象となってくる)

消費税 3月

(振替納税を利用している場合は4月後半)
免税事業者の場合は納税の必要なし
年間の納税額※が48万を越える場合、8月(振替納税の場合は9月)に予定納税(中間納付)として前納を行う必要あり
※地方消費税は含みません

源泉所得税 毎月

(納期の特例の申請を行っている場合は、7/10と1/20の年2回)
従業員に給与を支給している場合、毎月徴収する源泉所得税を翌月10日までに納税する必要がある
※納期の特例制度は従業員数が10名以下の場合でないと適用できない

個人事業の美容室経営の場合、従業員10名以下の小規模のケースが多いためほとんどの方が納期の特例を活用している
スタッフが業務委託の場合、そもそも源泉所得税は発生しない

住民税(特別徴収) 毎月

(納期の特例の申請を行っている場合は、12/10と翌6/10の年2回)
特別徴収の対象となる従業員がいる場合、毎月徴収する住民税を翌月10日までに納税する必要がある
※原則は従業員に対して特別徴収をする必要がある
ただし、従業員が2名以下の場合などは申請すれば例外で特別徴収をする必要が無くなる。

その際、従業員は普通徴収となり毎月の給与からも天引きされず、自分で納税を行う
小規模の美容室の場合、従業員の住民税を普通徴収としているケースはよくある
徴収方法の選択については従業員から了承を得たうえで決める

まとめ

  • 自分はどの税額を納めるべきなのかをしっかりと判断し、計画的に納税資金を確保して納税することが大事
  • 中間納付がある場合は忘れずに行う
  • 従業員がいる場合は従業員の分の税金も代わりに納税してあげる必要がある

個人事業主が支払うべき税金とその納税スケジュールを解説