結論!美容室こそキャリアアップ助成金がお勧めです!
今回は美容室オーナー様からのお問い合わせが多いキャリアアップ助成金について解説いたします。
目次 |
1.キャリアアップ助成金とは
キャリアアップ助成金とは有期雇用労働者や短時間労働者など非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化・処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
入社した従業員のキャリアアップを会社が計画的に行うことで、今後の採用や教育に活用することができます。
もちろん返済は不要です。
2.助成金の申請にあたっての要件5つ
助成金の申請にあたっては、以下の条件を満たしている必要があります。
- 雇用保険適用事業所である
助成金の財源は雇用保険になります。その為、事業所として雇用保険に入っていなければなりません。 - 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている
キャリアアップ管理者は、有期契約労働者等の段階的なキャリアアップを図るため、
目的・期間・実施方法などを考え、実行できる人を選任しなければなりません。 - 雇用保険適用事業所ごとに対象労働者のキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受ける
キャリアアップ計画は、有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるための今後の取り組み(対象者・目標・期間・目標を達成するために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記入するもので、キャリアアップ取り組み前に 指定された様式のキャリアアップ計画書に必要事項を記入し、労働局に届け出を行っている事が必須となります。 - キャリアアップを実施する対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる
従業員を雇った際に必ず雇用契約書または労働条件通知書を作成交付し、出勤簿 等でしっかり勤怠管理を行い、
就業規則内容に基づいて賃金計算が行われている事が最低条件になります。
整備が進んでいない事業所はまずは整えるところからのスタートとなります。 - キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組む
事前に届け出をしたキャリアアップ計画書の期間内に取り組みを行い、申請をしなければなりません。 - 正社員に転換した全員に、賞与の支給・年1回以上の昇給を実施する
以上の他に、従業員の為のキャリアアップ目的があることが大前提になります。
3.キャリアアップ助成金の申請までの簡単な流れ
- キャリアアップ計画書をハローワーク等に提出
- 就業規則に転換制度規定を追加
- 試験などを実施して対象労働者を正社員として転換、転換後6ヶ月間の給与が転換前6ヶ月間と比較して固定給が3%以上アップ
- 正社員転換後、6ヶ月を経て2ヶ月以内に申請書類を提出
4.厳禁!助成金の不正申請・不正受給
助成金申請において、虚偽の支給申請を行うなど、一部に不正な受給も見られます。
コンサルタントを名乗るあやしい業者がいるのも事実です。
これらの業者のなかには手数料や報酬などを目的に、不必要な制度を斡旋したり、虚偽の申請書の提出を指南したりするところも多く、最終的に事業主さんにも不利益になります。
例えば申請に不正があった場合、事業主も責任を問われます。
「不正受給」は助成金が実際に支給されたかどうかは関係ありません。
「申請しただけ」でも不正受給として罰せられる事もあるので、助成金申請の依頼先は慎重に選ぶ事をお勧めします。
助成金の不正受給を行おうとすると、上記のような刑事罰を受けるだけでなく、不正受給を行った(未遂含む)以後3年間は、雇用関係の助成金の申請が一切できなくなります。
助成金を不正受給した場合は、助成金を全額返還しなければなりません。
また、助成金支給日の翌日から返還日までの期間に対して、年3%の延滞金と返還額の20%の違約金を支払う必要が出てきます。
5.2024年度からキャリアアップ助成金の制度が拡充されました!
- 転換後、12ヶ月の雇用継続の場合に80万円助成
※転換後、6ヶ月経過時に1回目の申請必須、その際半額の40万円を助成 - 対象となる有期雇用労働者の雇用期間が「6ヶ月以上3年以内」から「6ヶ月以上」に緩和
※有期雇用期間が通算5年を超えた有期雇用労働者は、助成金額は半額となります - 新たな正社員化制度の導入支援のため、これから正社員転換制度を新たに就業規則に規定し転換した場合、1事業所あたり1回のみ「20万円」が別途支給されます
まとめ
大前提として、勤怠管理・有給管理・給与計算などを日頃よりきちんと行っていなければ申請しても受給には至りません。
そもそも申請する権利もありませんのでご注意ください。
審査は年々厳しくなっていますので、専門家に依頼し、労務管理体制が整った後に申請を行っていくことをお勧めいたします。