美容室もキャリアアップ助成金の申請はできますか?

キャリアアップ助成金の概要を解説

特に人の採用が多い美容室においては、キャリアアップ助成金の申請がおすすめです。

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者・短時間労働者等の非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化・処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。

今回は、美容室オーナー様からのお問い合わせが多いキャリアアップ助成金の中から「正社員化コース」を取り上げて説明いたします。

目次

  1. 助成金の受給にあたって
  2. 助成金の不正申請について
  3. キャリアアップ助成金の申請までの流れ

1.助成金の受給にあたって

助成金の申請にあたって以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 雇用保険適用事業所の事業主
    助成金の財源は雇用保険になります。そのため、事業所として雇用保険に入っていなければなりません。
  2. 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主
    キャリアアップ管理者は、有期契約労働者等の段階的なキャリアアップを図るため、入社直後入社1年から2入社3年以降のそれぞれの段階に対応した有期契約労働者への指導・教育などを行える人になります。
  3. 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に関わるキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主
    キャリアアップ計画は、有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後の取り組み(対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記入するもので、キャリアアップ取り組み前に 指定された様式のキャリアアップ計画書に必要事項を記入し、労働局に届け出を行っている事が必須となります。
  4. キャリアアップを実施する対象労働者の労働条件・勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主
    従業員を雇った際に必ず雇用契約書または労働条件通知書を作成交付し、出勤簿等でしっかり勤怠管理を行い、就業規則内容に基づいて賃金計算が行われている事が最低条件になります。できていない事業所はまずは整えるところから開始となります。
  5. キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主
    事前に届け出をしたキャリアアップ計画書の期間内に取り組みを行い、申請をしなければなりません。

2.助成金の不正申請について

助成金申請において、虚偽の支給申請を行うなど、一部に不正な受給もみられます。
不正受給を行った場合、事業主名等を公表されます。
経営者が詐欺未遂、有印私文書偽造・行使の疑いで書類送検された事例もあります。

助成金の不正受給を行おうとすると、上記のような刑事罰を受けるだけでなく、不正受給を行った(未遂含む)以後3年間は、雇用関係の助成金の申請が一切できなくなります。

助成金を不正受給した場合は、助成金を全額返還しなければなりません。
また、助成金支給日の翌日から返還日までの期間に対して、年3%の延滞金と返還額の20%の違約金を支払う必要が出てきます。

3.キャリアアップ助成金の申請までの流れ

  1. キャリアアップ計画書をハローワーク等に提出
  2. 就業規則に転換制度規定を追加
  3. 試験などを実施して対象労働者を正社員として転換、転換後6カ月の給与が転換前6カ月間と比較して3%以上アップ
    ※原則は基本給で3%アップ
  4. 正社員転換後、6カ月を経て2か月以内に申請書類を提出

出典

厚生労働省|キャリアアップ助成金


キャリアアップ助成金の概要を解説