美容室オーナーさん必見!美容室で管理しなきゃいけない4帳簿って?~出勤簿・有給管理簿~

美容室に関わらず、すべての会社で法定4帳簿の作成・保管義務があります。
「帳簿ってきくとなんだか難しそう・・・」と、思われる人も多いのではないでしょうか。
今回は、法定4帳簿の中の出勤簿と有給休暇管理簿にスポットをあて、どのように
お店で作成・管理をしていけばいいのかをご紹介します。

目次

  1. 法定4帳簿の出勤簿・有給休暇管理簿とは
  2. 注意点・管理の難しいさ
  3. 帳簿運用方法 ~勤怠システムの導入実録~
  4. まとめ
  5. 出典・参考サイト
  6. 関連記事

1.法定4帳簿の出勤簿・有給休暇管理簿とは

まず、法定4帳簿とは「賃金台帳」「労働者名簿」「出勤簿」「年次有給休暇管理簿」です。
今回は、「出勤簿」「年次有給休暇管理簿」をご紹介します。

はじめに「出勤簿」についてです。
簡単に言うと、スタッフごとにおこなう労働の記録です。
一般的に勤務表やタイムカードなどがイメージされますが、記載を必須とする項目があります。
それは氏名、出勤日、出勤日毎の始業/終業時間、休憩時間、残業時間などの情報です。
また、以下の報告書類も出勤簿等として必要です。

・使用者が自ら始業・終業時刻を記録した書類
・残業命令書及びその報告書
・労働者が記録した労働時間報告書等

次に「年次有給休暇管理簿」についてです。
こちらはスタッフの有給休暇の記録です。
有給休暇を付与した日付や付与日数も明記する必要があります。

2.注意点・管理の難しさ

各帳簿には作成・保存の際に注意しなければいけないことがいくつかあります。
各帳簿の注意点を以下にまとめます。

Ⅰ. 出勤簿

・ 保存期間を過ぎていないものは捨てない!
保存期間は3年です。3年過ぎていないうちに捨ててしまっては保存義務に違反してしまいます。
さらに残業代については時効が5年となるといわれています。
必ずファイリングするなどして店舗に保管しておきましょう。

・ 出社している日・休みの日ということだけがわかる出勤簿はダメ!
出勤時刻や退勤時刻がいつも同じような時間だからと言って、出社の日と休みの日だけ
わかるようになっている出勤簿はもはや出勤簿として認められていません。
必ず始業・終業がわかるように記録をする必要があります。

・ 休憩時間も記録する!
休憩時間についても労働時間と分けて時間がわかるようにする必要があります。

 

Ⅱ. 有給休暇管理簿

・ 有給休暇の付与日・付与日数を明記していないものはNG!
有給休暇は取得した日だけでなく、付与した日、付与した日数を明記する必要があります。
前提として就業規則に則り、サロンオーナーや担当スタッフが、きちんと管理している必要があります。

・ 取得日について月間だけを記載することはNG!
「12月 2日間取得」など、具体的な取得日を明記していないことは認められません。
必ず取得日まできちんと管理をおこないましょう。

3. 帳簿運用方法 ~勤怠システムの導入実録~

実際のところ、これまでご紹介したことをすべて人力でおこなうことは不可能に近いです。
少数のスタッフ分だったとしても、かなりの手間と時間がかかってしまい、本業ができない日がある・・・なんていう声も聞かれます。
では、どうしたら時間が短縮され、効率的に帳簿運用をおこなえるのでしょうか。
そこでデジタルの力がたいへん役に立ちます。
以下に勤怠システムを導入したお店の解決例を挙げてみます。

Ⅰ. 勤怠システム 出勤簿について

Aさんのお店では、スタッフが毎日9時~18時(休憩12時~13時)で働いています。
タイムカードを使用しているので、タイムカードで記録できる開始の時間・終了の時間は管理できています。
しかし、タイムカードで最終集計されるのは、あくまでタイムカードに記録した時間のため、8:50に記録をした場合、実際には9時から労働時していたとしても8:50~労働開始として時間が集計されてしまします。
終了時間についても同様で、本人がタイムカードを打ち忘れて遅れてしまった場合に、集計時間は狂ってしまいます。
そのためAさんは毎月各スタッフごとに、タイムカードを見ながら電卓を片手に労働時間の集計や、遅刻・早退などの時間集計をおこなっていました。
スタッフは5名程度ですが、集計する項目が複数あるので最低3時間はかかってしまいます。

そこで勤怠システムを導入してみたところ・・・

・1日・1週間・1か月の労働時間を自動で集計
・ 休憩時間も労働時間から自動で除いて計算
・ 残業や休日出勤などの時間外残業も通常の労働時間とは別に自動集計

上記を勤怠システムがおこなってくれるようになったことで、毎月おこなう作業は1か月の終わりに5名分の勤務表をサッと確認することだけになりました。

Ⅱ. 勤怠システム 有給休暇管理簿

Bさんはスタッフ20名程度のサロンオーナーです。
有給休暇については、毎月スタッフ本人から希望取得日をメッセージしてもらい、それをノートにメモしています。
しかしスタッフ同士で希望日が被ってしまい変更があったり、直前になってお客様の予約が入り取り消したりと、1か月の中でなかなかに管理が大変です。
さらにスタッフが退職する際には、本人が認識している有給休暇の残日数とBさんがノートに着けていた日数が異なっており、どちらが正しいのかも曖昧な感じでトラブルになりかけてしまうこともありました。

そこで勤怠システムを導入してみたところ・・・

・本人がシステムを経由し直接休暇の申請をおこなうから承認をするだけで勤務表が更新
・申請済みの休暇についてもいつでも取消可能
・有給休暇の付与も自動でおこなうため、一人ずつ入社日から管理する必要なし
・シフト表にも自動的に有給休暇が反映されるため、双方で認識に差異が出ない

上記の運用によって、毎月の有給休暇に関わる手間・時間はまったくゼロになりました。

4.まとめ

法定4帳簿の中でも、オーナーとスタッフどちらにとっても重要な帳簿である「出勤簿」「有給休暇管理簿」については、サロンオーナーが責任をもって管理する必要があります。
同時に、ほかの帳簿以上に作成・管理に時間がかかってしまいがちであり、こちらに頭を悩ませてしまう方も多くいらっしゃいます。
スタッフも労働環境についての知識を得やすい時代になっており、明確にしておくことは双方にメリットがあるように思います。
まだ勤怠システムを導入されていないサロンは、一度ご検討されることをおすすめします。

5.出典・参考サイト

厚生労働省|ホームページ

6.関連サイト

美容室における勤怠管理の注意点2つ

労働時間、把握できてる?トラブルを防ぐ美容室の勤怠管理

美容室に労働基準監督署が来たらどう対応すればいいの?