領収書は美容室では求められたときだけ渡すようにしていて、発行する機会が少ないお店も多いと思います。
インボイス制度が始まってから適格請求書発行事業者は、求められたとき『適格請求書』を渡さなければいけなくなります。単純に今までの領収書にインボイスの登録番号を記載すれば問題ない、と思われている方もいるかもしれません。
そのため今回は何を記載すれば適格請求書として認められるかを解説いたします。
今回の記事を読んで、自分のお店で発行している領収書は適格請求書の記載内容を満たしているか是非確認していただきたいと思います。
目次
1.適格請求書の記載事項
適格請求書には、適格請求書(原則)と適格簡易請求書の2種類があります。
適格簡易請求書の交付で認められている業種は小売業や飲食店業、またその他不特定多数に対して取引を行うものと定められています。
美容室は不特定多数に対して取引を行うものに該当しますので、発行するのは適格簡易請求書になります。
そのため今回は適格簡易請求書を詳細に解説します。
まずはそれぞれの記載事項と違いを見ていきましょう。
適格請求書
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称
- 登録番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)
- 適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
適格簡易請求書(美容室はこちらを適用します)
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称
会社名もしくは屋号 - 登録番号
T+13ケタの登録番号 - 取引年月日
取引した日付 - 取引内容
「施術代」、「商品代」など代金の内容 - 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)
美容室の場合は軽減税率8%の取引はない場合がほとんどなので、10%対象売上金額(例)施術代5,500円(税込み)を売り上げた場合
税込みで記載する場合は、5,500円
税抜きで記載する場合は、5,000円
と記載します。
税込み、税抜きはどちらの金額を記載しても構いません。 - 税率ごとに区分した消費税額または適用税率
売上5,500円(税込み)であれば「500円」もしくは適用税率「10%」と記載します
2.適格請求書と適格簡易請求書の記載事項の違い
適格請求書に記載義務がある内容は上記の8つ。適格簡易請求書に記載義務がある内容は6つ。
違いは2つあります。
1つ目は適格請求書では「6.適用税率」と「7.税率ごとに区分した消費税額」の両方を記載しなければなりません。
一方で適格簡易請求書では「6.税率ごとに区分した消費税額または適用税率」となり、消費税額か適用税率どちらか1つを記載していればいいのです。
2つ目の違いは、交付を受ける事業者(相手先)の氏名または名称の記載が不要になります。適格簡易請求書の発行を認められている業種は一般消費者を相手に事業を行う業種が多いため、相手先の記載は必要ありません。
まとめ
適格請求書発行事業者が適格請求書の発行を求められた場合、発行する義務があります。
そのため、上記の記載事項の漏れがないよう気を付けなければなりません。